活動紹介

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第1回DT(気ばらし療法)研修「痴呆性高齢者にとってその人らしい人生とは」

2003年12月16日(火) 場所:青山環境デザイン研究所


「引き算ではなく、足し算の住まいづくりを。体に有害なものは減らすのでなく、使わなければいい」  エコロジー住宅設計の第一人者で一級建築士の相根昭典氏を招き、シックハウス症状の起こる原因と対策、さらには生活環境の改善から始まる安全な住まいづくりについてお話を伺いました。 相根氏は化学物質を含まない住宅の設計を手がけ、最近ではシックハウス症状に悩む人々の相談に応じたり、自然素材の建材を開発するなど幅広い活躍をされています。



当日のプログラム

特別講演

「エコロジー住宅で暮らそう。」
講師:相根昭典氏
(株)アンビエックス代表取締役 一級建築士
※主な著書「健康な住まいを手に入れる」(コモンズ)


主な内容

・暮らしに潜む化学汚染物質について(その1)
・シックハウス症候群の現実について(その1)
・ガイドラインと行政や業界の動向

特別講演

「エコロジー住宅で暮らそう。~エコロジーハウスの住宅と設計~1」
相根 昭典氏


若い頃に産業廃棄物処理場で働いたこともあり、環境問題を意識して設計事務所を立ち上げました。現在、衣・食・住にわたる安全な生活環境づくりに取り組んでいます。

最近ようやくシックハウス問題がニュースや新聞などでも大きく取り上げられるようになりました。シックハウス症状とは、住宅の壁紙や柱に含まれる防湿剤や防腐剤など様々な化学薬品を原因とする体調不良を言います。これらの化学薬品に含まれるホルムアルデビドをはじめとする有害化学物質が室内に溶け出すことで、「目がちかちかする」「喉や鼻が痛くなる」などの症状が引き起こされるといわれています。 ある調査では、防腐剤や防湿剤を多量に使用した場合ホルムアルデビドの毒性が消えるのに約60年かかるという結果が出ています。殺虫・殺菌作用が強力であればあるほど、その効力も長く持続されます。 湿気やシロアリを防いで快適さをもたらすはずの化学薬品でしたが、人体へ及ぼす危険性を無視して住宅への普及が進んでしまったためシックハウス症状を訴える人が増加しています。

シックハウス被害が拡大したことで、国はようやく「シックハウスガイドライン」を作成しました。しかし、その内容は十分なものとはいえません。記載の漏れている有害化学物質があったり、化学物質濃度の安全基準となる指針値の設定に不十分なところがあるなど、まだまだシックハウス問題への危機感が不足しています。まずは行政からシックハウス問題の深刻性をもっと認識して対応すべきです。

行政だけでなく、私たちもシックハウスを自分たちの問題として捉えなければなりません。シックハウス症状は化学物質に敏感な人だけがかかる病気ではないのです。シックハウス症状を引き起こす仕組みは、よくコップの中の水に喩えられ、体の中に有害物質が徐々に溜まり、ついには溢れ出して発症するといわれています。仕事や将来への不安、家庭でのストレスなどで体調が不安定になっても、有害化学物質を体の中に溜めやすくなります。そして、一度シックハウス症状を引き起こすと、あらゆる化学物質に過敏になってしまうこともあります。有害化学物質に囲まれて暮らしている私たちにとっては、決して他人事ではないのです。 では、シックハウス問題にどのように対応していったらよいのでしょうか。有害化学物質が体の中に溜まって、シックハウス症状が現れるのであれば、最初から化学薬品自体を使わなければよいのではないでしょうか。

たとえわずかな量であっても、有害化学物質を含む建材は使いません。私は、化学薬品自体を一切含まない自然建材だけを使って家をつくります。少しずつ体に悪いものを減らしていく引き算の環境づくりではなく、体にやさしいものをどんどん使っていく足し算の生活環境づくりを目指しているのです。身近なところでも、蚊取り線香を使うなら化学薬品で殺菌・殺虫効果を強力にしたものではなく、除虫菊で作ったものを使ってみる、化学薬品を使った消臭剤や芳香剤は置かない、など簡単に始められます。
できることから少しずつでも、誰もが気持ちよく生きていける家と環境を作っていきたいたいと思います。



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